【医師監修】AGA治療は保険適用されるのか?賢く治療を継続する方法

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AGA治療の保険適用についてのポイント!

  • AGA治療は健康保険が使えない自由診療のため、全額自己負担となります。
  • 保険診療は病気治療が対象ですが、AGAは「美容目的」と判断され保険適用外です。
  • 自由診療はクリニックごとに料金や治療内容が異なり、費用は変動します。
  • 女性の薄毛治療も同様に保険適用外ですが、他の病気が原因なら保険適用となる場合があります。
  • 医療費控除や混合診療には制限があり、注意が必要です。
医師監修

篠原 聡 /医学博士 認定産業医

銀座ベレアージュクリニック(旧・新橋駅前クリニック) 院長

  • 1963年 出生
  • 1989年 山梨大学医学部医学科卒業 東京医科大学消化器内科勤務
  • 1993年 西横浜国際病院内科医長後在宅医療担当医
  • 1994年 北里大学医学部公衆衛生学助手
  • 1999年 セントラル自動車診療所所長
  • 2011年 同診療所退任
  • 2015年 銀座ベレアージュクリニック(旧・新橋駅前クリニック)院長就任
著者プロフィール画像

※本記事で言及する他院・サービスの紹介について、監修医師は一切関与しておりません。

AGA治療が保険適用外となる「自由診療」の真実

自由診療
自由診療

AGA治療を検討する際に、多くの方が最初に直面するのが費用の問題です。結論からお伝えすると、AGA治療は原則として健康保険が使えない全額自己負担の「自由診療」です。この事実を知らずにいると、将来的な治療計画にずれが生じる可能性があります。まずは、なぜ保険が適用されないのか、その理由と仕組みを正しく理解することが重要です。

生命に影響しない「美容目的」という国の判断

AGA治療に保険が適用されない最大の理由は、日本の健康保険制度が「病気やケガの治療」を目的としているためです。AGAによる薄毛は、直接的に生命を脅かしたり、身体機能に支障をきたしたりするものではないと判断されます。そのため、国の制度上は「容姿をより良くするための医療」と見なされ、審美歯科や美容整形と同じ「美容目的」のカテゴリーに含まれます。この国の判断基準がある限り、AGA治療が保険適用となることはありません。

自由診療と保険診療の根本的な違い

日本の医療には「保険診療」「自由診療」の2種類があります。保険診療は、国が定めたルールと料金に基づいて行われ、自己負担は原則3割です。一方で自由診療は、治療内容や料金をクリニックが独自に設定できます。AGA治療はこちらの自由診療にあたるため、治療費は全額自己負担(10割負担)となります。

項目保険診療自由診療
自己負担割合原則3割10割(全額)
治療内容国が認めた範囲内クリニックが自由に設定可能
料金設定全国一律の公定価格クリニックごとに異なる
対象となる医療病気やケガの治療美容目的、予防医療、先進医療など

この違いから、AGA治療はクリニックによって費用や治療プランが大きく異なるのです。

皮膚科の受診でもAGAは保険適用外

「AGA専門クリニックではなく、一般の皮膚科なら保険が使えるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは誤解です。重要なのは病院の種類ではなく、治療の目的と診断名です。たとえどの医療機関を受診したとしても、医師によって薄毛の原因がAGAであると診断された場合、その治療は自由診療となり保険は適用されません。

女性の薄毛治療(FAGA)も同様に適用外

男性だけでなく、女性の薄毛(FAGA)に悩む方も増えています。この女性の薄毛治療も、AGAと同様の理由から保険適用外となります。容姿の改善を目的とした医療と見なされるため、治療費は全額自己負担が原則です。ただし、女性の場合は甲状腺疾患など他の病気が原因で脱毛が起きている可能性もあるため、まずは皮膚科や婦人科で原因を特定することが大切です。

【治療法別】AGA治療の費用相場と全額自己負担の内訳

AGA治療が自由診療である以上、その費用はすべて自己負担となります。治療を始める前に、どのような治療法にどれくらいの費用がかかるのか、具体的な相場を把握しておくことが、無理のない治療計画を立てるための鍵です。ここでは、主な治療法ごとの費用内訳を解説します。

費用相場と全額自己負担の内訳
費用相場と全額自己負担の内訳

内服薬-フィナステリドやデュタステリドの値段

AGA治療の基本となるのが、抜け毛の進行を抑える内服薬です。代表的な薬には「フィナステリド」と「デュタステリド」の2種類があります。

薬剤名製品名(例)1ヶ月あたりの費用相場主な効果
フィナステリドプロペシア6,000円~10,000円抜け毛の進行を抑制
デュタステリドザガーロ8,000円~12,000円フィナステリドより強力に抜け毛を抑制

これらの薬は、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで効果を発揮します。

外用薬-ミノキシジルの値段

内服薬が「守り」の治療なら、外用薬のミノキシジルは「攻め」の治療と言えます。ミノキシジルは頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促す効果が認められています。市販の「リアップ」シリーズにも配合されている成分です。クリニックで処方されるミノキシジル外用薬の費用相場は、1ヶ月あたり7,000円から15,000円程度です。内服薬と併用する場合、合計で月々15,000円以上の費用がかかる可能性があります。

注入治療や植毛にかかる高額な費用

投薬治療で効果が不十分な場合や、より積極的な改善を望む場合には、注入治療や植毛という選択肢もあります。

治療法内容費用相場
注入治療(メソセラピー)発毛を促す有効成分を頭皮に直接注入1回 20,000円~80,000円
自毛植毛後頭部など自分の毛髪を薄毛部分に移植50万円~数百万円

これらの治療は効果が期待できる一方で、費用は高額になります。特に自毛植毛は外科手術であり、根本的な解決策となり得ますが、数百万円単位の費用が必要になることも珍しくありません。

診察料や血液検査など薬以外の治療費

AGA治療にかかる費用は、薬代だけではありません。治療開始前や治療の過程で、以下の費用が発生する場合があります。

項目内容費用相場
初診料・再診料医師によるカウンセリングや頭皮の診察無料~5,000円程度
血液検査薬の副作用リスクなどを確認するために実施5,000円~10,000円程度

クリニックによっては診察料を無料としている場合もありますが、治療を始める際には、こうした薬以外の費用も考慮して総額を計算することが大切です。

AGA治療の費用負担を賢く抑える3つの方法

費用負担を賢く抑える方法
費用負担を賢く抑える方法

「やはりAGA治療は高い…」と感じたかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。保険適用外であっても、いくつかの工夫をすることで、月々の経済的な負担を減らしながら賢く治療を継続する方法が存在します。ここでは、今日から実践できる3つの方法を紹介します。

  1. 方法1:ジェネリック医薬品の選択で薬代を節約

    最も簡単で効果的な節約方法は、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を選ぶことです。ジェネリック医薬品は、先発医薬品の特許が切れた後に製造される薬で、有効成分や効果・安全性は先発品と同等でありながら、開発費用が抑えられているため低価格で提供されます。

    薬剤の種類 先発医薬品(製品名) ジェネリック医薬品
    フィナステリド プロペシア(約6,000円~) フィナステリド錠(約3,000円~)
    デュタステリド ザガーロ(約8,000円~) デュタステリド錠(約5,000円~)

    ジェネリック医薬品に切り替えるだけで、薬代を半分近くに抑えることも可能です。

  2. 方法2:オンライン診療の活用で通院コストを削減

    近年、AGA治療でもオンライン診療を導入するクリニックが増えています。オンライン診療は、スマートフォンやPCを使って自宅から医師の診察を受け、薬を郵送してもらうサービスです。この方法には、費用面で以下のメリットがあります。

    • クリニックへの往復交通費が不要になる
    • 対面診療より診察料が安く設定されている場合がある
    • 移動時間や待ち時間がなくなり、時間を有効に使える

    特に、DMMオンラインクリニックやAGAスキンクリニックなどはオンライン診療に力を入れており、忙しい方や近くに専門クリニックがない方にとって有効な選択肢です。ただし、オンライン診療では医師による触診やマイクロスコープを使った頭皮の詳細な観察ができません。初めて診断を受ける場合は、一度対面で診察を受けて頭皮の状態を正確に把握した上で、オンライン診療に移行することも安全な選択肢の一つです。

  3. 方法3:早期治療の開始で将来的な総額を抑制

    見落とされがちですが、気になり始めたらすぐに治療を開始することが、結果的に最も費用を抑えることに繋がります。AGAは進行性の脱毛症であり、放置すればするほど症状は悪化します。症状が軽いうちであれば、安価なジェネリックの内服薬だけで進行を十分に食い止められる可能性があります。しかし、薄毛が広範囲に進行してしまうと、ミノキシジルの追加や高額な注入治療など、より多くの費用と時間が必要になってしまうのです。

保険適用や医療費控除に関する例外と注意点

保険適用や医療費控除に関する例外と注意点
保険適用や医療費控除に関する例外と注意点

AGA治療は原則として保険適用外ですが、薄毛治療のすべてが自己負担になるわけではありません。また、費用に関する制度にはいくつか注意点があります。誤った知識で損をしたり、トラブルになったりしないよう、例外的なケースと注意点をしっかり確認しておきましょう。

円形脱毛症など他の病気が原因の場合の保険適用

あなたの薄毛の原因がAGAではなく、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎、甲状腺疾患といった他の病気であると医師に診断された場合、その病気の治療に対しては健康保険が適用されます。これらの脱毛症は、身体の異常が原因で起こる「疾患」として扱われるためです。自己判断で「自分はAGAだ」と決めつけずに、まずは医師に正確な診断をしてもらうことが何よりも重要です。

なぜAGA治療費は医療費控除の対象外なのか

年間の医療費が10万円を超えた場合に税金の一部が戻ってくる「医療費控除」という制度がありますが、残念ながらAGA治療費は対象外です。国税庁は、医療費控除の対象を「病気の治療を目的とするもの」と定めており、AGA治療は「容姿の美化を目的とするもの」と判断されるため、控除の対象にはなりません。したがって、確定申告で申請することはできないと理解しておく必要があります。

ただし、厳密には「AGA治療を直接の目的とした費用」が対象外です。例えば、保険適用される別の皮膚疾患(脂漏性皮膚炎など)の治療費は、医療費控除の対象となります。

自由診療と保険診療を併用する「混合診療」の禁止

「皮膚科で湿疹(保険診療)を治しながら、ついでにAGAの薬(自由診療)をもらおう」と考えるかもしれませんが、注意が必要です。日本の医療制度では、一連の治療において保険診療と自由診療を同時に行う「混合診療」は原則として禁止されています。

これは、国民皆保険制度の公平性を守り、科学的根拠のない特殊な医療が助長されたり、患者の負担が不当に拡大したりすることを防ぐための重要なルールです。もし混合診療とみなされた場合、保険が使えるはずの湿疹の治療費まで含めて、すべてが全額自己負担になってしまう可能性があります。同日に両方の治療を受けたい場合は、受付で相談するか、日を改めて受診するなどの配慮が必要です。